ドローン保険は必要?機体保険と賠償責任保険の違いを比較解説

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この記事のポイント

ドローン保険には機体を補償する機体保険と、事故で第三者に損害を与えた場合に備える賠償責任保険がある。補償範囲は対人・対物・人格権侵害に分かれ、最大離陸重量25kg以上の機体やレベル3.5飛行では第三者賠償責任保険への加入が申請上の要件になる。

ドローン保険は必要?機体保険と賠償責任保険の違いを比較解説

「ドローン保険に入るべきかどうか、機体保険と賠償責任保険の違いも分からず、どこまで備えれば安心なのか判断できない」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

  • ドローン保険の種類と補償範囲
  • 保険加入が必要になるケース
  • 保険会社ごとの比較ポイント

ドローン保険は、機体保険と賠償責任保険を目的に応じて組み合わせることで、事故や損壊のリスクに現実的に備えられます。

保険の仕組みを理解しておけば、飛行許可申請や日々の運用で慌てることもなくなります。まずは基本から順に見ていきましょう。

ドローン保険の種類

ドローン保険には、機体そのものを対象にした保険と、事故で第三者に損害を与えた場合に備える保険の2種類があります。どちらもカバーする範囲が異なるため、目的に合わせて選ぶことが大切です。

機体保険とは

そもそもドローンとは何かという機体定義を踏まえると、機体保険は、ドローン本体を対象にした保険で、動産総合保険とも呼ばれます。墜落や他物との接触による破損、保管中の火災や落雷、盗難、水濡れなど、機体自体に生じた損害を補償対象とします。

高価な産業用ドローンほど修理費や買い替え費用の負担は大きくなるため、機体保険への加入は経済的なリスクを抑える手段になります。

賠償責任保険とは

賠償責任保険は、国のドローン補助金などを活用して導入されたビジネス機を含め、ドローンの飛行によって第三者に損害を与えた場合の法律上の賠償責任を補償する保険です。補償の範囲は、対人・対物・人格権侵害の3つに分かれます。

対人補償は、墜落や接触で第三者を負傷させた場合の治療費や慰謝料を対象とします。対物補償は、第三者の所有物や公共物を破損させた場合の修理費用が対象です。人格権侵害補償は、空撮した写真や映像によって肖像権やプライバシー権を侵害した場合に適用されます。

補償の種類補償対象具体例
対人補償第三者のけが治療費、慰謝料
対物補償第三者の所有物修理費用
人格権侵害補償肖像権・プライバシー空撮映像のトラブル

個人向けと法人・事業者向けの違い

個人向けのドローン保険では、人格権侵害の補償が含まれていない商品が一般的です。趣味で飛ばす範囲であれば大きな問題になりにくいものの、過去のドローンの事故事例を見ても明らかなように、空撮した映像をインターネット上で公開する予定があるなら注意が必要です。

第三者が映り込む映像を公開する行為は、家族や友人だけの利用とは異なり、業務利用に近いとみなされることがあります。この場合、個人であっても人格権侵害を補償対象に含む法人・事業者向け保険への加入を検討したほうが安心です。

ドローン保険は加入義務がある?

ドローン保険は、原則として法律で加入が義務づけられているわけではありません。ただし、機体の重量や飛行方法によっては加入が実質的な要件になる場合があるため、自分の飛行スタイルを踏まえて確認しておく必要があります。

現時点では任意加入

高度な電子制御によって飛行するドローンの仕組みを有していても、一般的なドローンの飛行において保険加入は任意です。ただし国土交通省の「無人航空機の飛行の安全に関する教則」では、事故が起きた場合の金銭的負担が大きいことから、保険への加入が推奨されています。

法律上の義務ではないからといって備えを怠ると、事故発生時に賠償や修理の費用をすべて自己負担することになりかねません。

最大離陸重量25kg以上は保険加入が必須

2025年10月1日以降に新たに飛行許可・承認を申請する場合、飛行させるドローンの種類や用途に関わらず、最大離陸重量25kg以上の無人航空機については、第三者賠償責任保険への加入が申請の要件になりました。第三者の負傷や交通障害など、不測の事態に十分な補償ができる保険への加入が前提となっています。

申請時には保険加入の内容を記載する必要があり、実際の飛行時にも保険が有効であることが求められます。大型の産業用ドローンを扱う事業者は、この基準に該当していないか事前の確認が欠かせません。

レベル3.5・レベル4飛行と保険の関係

レベル3.5飛行は、補助者を配置しない目視外飛行のうち、道路や鉄道の上空を一時的に横断する飛行を指します。この飛行方法を業務用ドローンとして行うには、無人航空機操縦者技能証明の取得に加えて、第三者賠償責任保険への加入が要件のひとつになっています。

レベル4飛行は、有人地帯における補助者なしの目視外飛行で、一等無人航空機操縦士の資格と第一種機体認証の取得が前提です。運航管理者や安全飛行管理者を含めた体制づくりが求められる飛行形態であり、保険加入もリスク管理の一環として位置づけられています。

飛行の種類主な要件保険の位置づけ
レベル3.5飛行技能証明の取得、道路等の一時横断第三者賠償責任保険への加入が要件
レベル4飛行一等資格、第一種機体認証総合的な運航管理の一部として重視

DIPSでの飛行許可申請と保険情報の入力

各社のドローンの比較を経て選定した機体をドローン情報基盤システム(DIPS)に登録し、飛行許可・承認を申請する際には、保険契約の有無やその内容を入力する項目があります。無保険のまま申請すると、審査に時間がかかったり、追加の確認を求められたりすることがあります。

飛行計画を立てる段階から、加入している保険の内容を整理しておくと、申請から飛行までの手続きをスムーズに進められます。

ドローン保険の選び方

ドローン保険を選ぶ際は、補償範囲、保険料と補償金額のバランス、免責金額、示談交渉サービスの有無という4つの視点で比較すると、目的に合った保険を選びやすくなります。

補償範囲で選ぶ

賠償責任保険の補償範囲は、対人・対物・人格権侵害の3つに分かれます。空撮した映像を公開する予定がある場合は、人格権侵害まで補償対象に含む保険かどうかを確認しておきましょう。

機体保険についても、墜落や接触による破損だけでなく、盗難や水濡れまで対象に含まれているかは商品ごとに差があります。用途に応じて必要な補償が揃っているかを事前にチェックすることが大切です。

補償金額と保険料のバランスで選ぶ

賠償責任保険のみに加入する場合、年間保険料の相場は7,000円から2万円程度です。趣味で飛ばす個人向けの保険は年間5,000円から1万5,000円程度、業務利用を前提とした法人契約は年間2万円から6万円程度が目安になります。

補償金額が大きいほど保険料も上がる傾向にあるため、想定される事故の規模と保険料のバランスを見て選ぶ必要があります。機体保険を組み合わせる場合は、機体の価格に応じてさらに保険料が上乗せされます。

免責金額で選ぶ

免責金額とは、事故が起きた際に契約者自身が負担する金額のことです。免責金額が0円の保険もあれば、保険金額の5%程度に設定されている保険もあり、商品によって差があります。

免責金額を高く設定するほど保険料は抑えられる傾向にあるため、手元資金と保険料負担のバランスを考えて選ぶとよいでしょう。

示談交渉サービスの有無で選ぶ

事故やトラブルが起きた際、保険会社が契約者に代わって相手方との示談交渉を行ってくれるサービスが付帯している保険もあります。示談交渉に不慣れな個人や事業者にとって、このサービスの有無は保険選びの重要な判断材料になります。

比較の視点チェックするポイント
補償範囲対人・対物・人格権侵害まで含むか
保険料と補償金額想定するリスクの規模に見合っているか
免責金額自己負担額と保険料のバランス
示談交渉サービストラブル時に交渉を代行してもらえるか

主要なドローン保険を比較

ドローン保険にはさまざまな保険会社の商品があり、賠償責任保険と機体保険で提供元も補償内容も異なります。代表的な商品の特徴を押さえておくと、自分に合った保険を選びやすくなります。

賠償責任保険の主な商品

損保ジャパンが提供するSORAPASS careは、機体の種類や台数を問わず、業務でもホビーでも利用でき、対人・対物補償に加えて人格権侵害補償や事故対応の特別費用まで含まれる商品です。

東京海上日動のドローン保険は、補償金額を1億円・5億円・10億円から選べる複数プランを用意しており、機体の用途や事業規模に応じて金額を調整できます。

DJI製品を購入すると、初年度に限り無償で賠償責任保険が付帯されるプランもあります。対人1億円、対物5,000万円程度までを補償対象としていますが、利用には自分での登録手続きが必要です。

機体保険の主な商品

機体保険は賠償責任保険とセットで提供されることが多く、東京海上日動やDJI、各種代理店経由で加入できる商品があります。墜落や接触による破損、盗難、水濡れなどを補償対象とし、機体の購入価格や用途に応じて保険料が変わります。

高額な産業用ドローンを扱う場合は、機体保険への加入が修理費や買い替え費用の負担軽減につながります。

用途別に選べる保険商品

農業用ドローン向けには、農薬散布後の農作物被害まで補償範囲に含む専用保険が用意されています。散布後に農作物へ病害が発生した場合の農薬代や人件費を一定額まで補償する商品もあり、農業事業者にとって実務に即した内容です。

飛行頻度が少ない個人や、短期間だけドローンを利用する場合には、単発・短期契約が可能なスポット型の保険を検討する方法もあります。年に数回しか飛ばさない場合は、通年契約より割安になることがあるため、利用頻度に応じて検討するとよいでしょう。

商品タイプ主な提供元特徴
賠償責任保険損保ジャパン、東京海上日動、DJIなど対人・対物・人格権侵害を幅広くカバー
機体保険東京海上日動、DJIなど墜落・盗難・水濡れなど機体の損害を補償
農業用保険農機メーカー系の保険商品農薬散布後の農作物被害まで対象

ドローン保険加入時の注意点

ドローン保険は加入していれば安心というわけではなく、補償の適用条件を見落とすと、いざというときに保険金を受け取れないことがあります。契約前に押さえておきたい注意点を確認しましょう。

用途が趣味か業務かで補償対象が変わる

同じ内容の飛行でも、想定用途の申告を誤ると保険の適用範囲からはずれることがあります。契約時に「趣味利用」で申し込んだ場合、後からSNSでの映像公開や案件受注といった業務寄りの使い方に切り替えると、補償対象外と判断されるリスクがあるためです。

飛行目的が変わる可能性があるなら、契約前に保険会社へ利用実態を伝え、必要に応じてプランの見直しを相談しておくと安心です。

機体保険は機体の回収が前提になる

機体保険の多くは、ドローン本体を実際に回収できることを保険金支払いの条件にしています。木の枝に引っかかって破損した場合は、回収できれば補償の対象になりますが、川や海に水没して回収できない場合は、保険金を受け取れないことがあります。

飛行前には、機体を見失った場合の回収方法や飛行エリアのリスクも合わせて確認しておくことが大切です。

メーカー付帯保険は自分での登録が必要

DJI製品の購入特典として付帯される無償の賠償責任保険は、購入しただけでは適用されず、自分で登録手続きを行う必要があります。機体単独での購入や、海外製品・並行輸入品、中古品や譲渡品などは、対象外になるケースもあります。

購入後は速やかに登録を済ませ、対象条件に該当しているかも合わせて確認しておきましょう。

まとめ:ドローン保険は機体保険と賠償責任保険を目的に応じて選ぶことが大切

ここまで、ドローン保険の種類、加入義務の有無、選び方、主要な商品、加入時の注意点を解説しました。機体保険と賠償責任保険はそれぞれ補償の対象が異なるため、自分の飛行スタイルに合わせて組み合わせを検討することが欠かせません。

本記事のポイント

  • 機体保険は機体の損害、賠償責任保険は第三者への損害を補償する
  • 25kg以上の機体やレベル3.5・レベル4飛行では保険加入が実質的な要件になる
  • 補償範囲や免責金額を比較し、用途に合った保険を選ぶことが大切

本記事を読んだことで、ドローン保険の種類や補償範囲の違いを整理でき、自分や事業の用途に合った保険を選ぶための判断材料が得られたはずです。飛行許可申請や日々の運用でも慌てず対応できるようになります。

ドローン保険の選び方や運用体制について具体的に相談したい方は、お気軽にお問い合わせください。

ドローン保険に関するよくある質問

参考文献

  1. 航空:無人航空機の飛行許可・承認手続 - 国土交通省
  2. 無人航空機レベル4飛行ポータルサイト - 国土交通省
  3. ドローン登録システム - DIPS

執筆者

Robot With 編集部
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Robot With編集部は、ロボット・フィジカルAI領域の専門メディアです。物流・製造・サービスなど幅広い分野のロボット技術や導入事例、市場動向を調査・発信し、企業の導入検討や意思決定に役立つ信頼性の高い情報を提供しています。

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