Kudan SLAMとは?技術の特徴や活用分野をわかりやすく解説
この記事のポイント
Kudan SLAMは日本のKudan株式会社が開発する商用グレードのSLAM技術で、カメラを使うKdVisualと3D LiDARを使うKdLidarを軸に構成されます。多様なセンサーを統合し、自律移動ロボットや自動運転、デジタルツインで活用されています。
「Kudan SLAMとはどんな技術で、どの会社が提供し、何に使えるのか知りたい」
こうした疑問に答えます。
本記事の内容
- Kudan株式会社とKudan SLAMの概要
- KdVisualやKdLidarなど主な技術
- 高精度などの強みと活用分野
Kudan SLAMとは、日本のKudan株式会社が開発する商用グレードのSLAM技術で、カメラやレーザーを使い高精度に自己位置推定と地図作成を行う点が特長です。
本記事を読めば、Kudan SLAMの技術と強み、活用分野までがわかります。導入や技術選定の材料として、ぜひ最後まで読み進めてください。
Kudan SLAMとは
Kudan SLAMとは、Kudan株式会社が開発する商用グレードのSLAMソフトウェアです。カメラや3D LiDARを使い、屋内外で高精度に自己位置推定と地図作成を行い、精密なロボット制御を支えます。
まずは提供元の会社と技術の位置づけ、対応するセンサーを整理します。
Kudan株式会社とはどんな会社か
Kudan株式会社は、空間知覚テクノロジーを手がける日本のディープテック企業です。2011年に大野智弘氏が英国ブリストルで創業し、2014年に日本法人を設立しました。
2018年には東京証券取引所に上場しています。人工知覚と呼ぶ独自の技術を軸に、ロボティクスとデジタルツインの分野でSLAM技術を中心に事業を展開しています。
Kudan SLAMの位置づけ
Kudan SLAMは、同社の技術を束ねる「GrandSLAM」という枠組みで提供されています。すべての機械の眼になることを目指し、自己位置推定と環境地図作成を担う中核技術です。
従来の2次元のLiDARと異なり、カメラを使うVisual SLAMの技術、または3次元のLiDARを使う技術で空間を立体的に認識します。これにより屋内外をまたぐ移動や、環境の変化への対応を実現します。
対応するセンサーと構成
Kudan SLAMは、多様なセンサーに対応している点が特徴です。カメラ、LiDAR、ToF、IMU、GNSS、ホイールオドメトリなどを組み合わせられます。
現場の条件に合わせてセンサー構成を柔軟に選べます。複数のセンサーを統合することで、単独では難しい環境でも安定した計測を実現します。
Kudan SLAMを支える主な技術
Kudan SLAMは、用途の異なる複数の技術で構成されています。中心となるのがカメラを使うKdVisualと、3D LiDARを使うKdLidarです。
それぞれの技術と、両者を支えるセンサーフュージョンを見ていきます。
KdVisualによるVisual SLAM
KdVisualは、カメラの映像から自己位置推定と地図作成を行うVisual SLAMソフトウェアです。処理速度と精度、安定性のバランスに優れています。
代表的なオープンソースと比べて2倍から10倍の処理速度を、より少ない処理能力で実現します。スマートフォンのような低消費電力の機器でも動き、位置の誤差を1センチ以内に抑えます。
KdLidarによる3D LiDAR SLAM
KdLidarは、LiDAR SLAMの技術を用いて3D LiDARの点群データから高精度な自己位置推定と3次元地図を作成します。屋内やGPSが使えない屋内外の混在環境でも、センチメートル級の精度を発揮します。
大まかな初期位置の手がかりがなくても、自動で位置を特定し直せ、遠隔操作ロボットが長時間の作業で位置を見失った場合にも役立ちます。回転式やソリッドステート式など、複数のLiDARに対応している点も強みです。
AIを活用したセンサーフュージョン
Kudan SLAMは、複数のセンサーを密に組み合わせるセンサーフュージョンを採用しています。Jetson NanoやJetson Orin NanoのようなエッジAI機器上でカメラやLiDAR、IMU、GNSSなどを統合し、単独センサーの弱点を補います。
AIで深い特徴量を計算することで、季節や天候による見た目の変化にも対応します。動く物体が多い場所や広い屋外でも、誤差の蓄積を抑えて安定した推定を実現します。
Kudan SLAMの特徴と強み
Kudan SLAMは、研究用ではなく実際の現場での運用を前提に設計されています。商用での利用を見据えた性能と安定性が、大きな強みです。
主な特徴を3つに分けて紹介します。
商用グレードの高精度と低遅延
Kudan SLAMは、商用グレードの高い精度と低い遅延を両立しています。KdLidarでは自己位置の誤差を1センチ以内に抑え、リアルタイムに近い応答を実現します。
地図のデータ量を大幅に圧縮できる点も特徴です。処理を軽くしながら精度を保つことで、実用の現場でも扱いやすくなっています。
屋内外をシームレスに自己位置推定
Kudan SLAMは、屋内と屋外をまたぐ移動でも位置を見失いにくい設計です。GPSが届く屋外から届かない屋内へ移っても、切れ目なく自己位置を推定します。
複数のセンサーを組み合わせることで、環境が変わっても安定します。倉庫と屋外を行き来する搬送や、施設全体の計測などに向いています。
環境変化に強いロバスト性
Kudan SLAMは、環境の変化に強いロバスト性を備えています。季節や天候で景色が変わっても、AIを活用した処理で位置推定を安定させます。
環境の変化を自動で検知し、地図を更新する機能もあります。人や車が多く動く場所でも、周囲の変化に惑わされずに動作します。
Kudan SLAMの活用分野
Kudan SLAMは、GPSが使えない環境でも高精度に位置を把握できる特性から、幅広い分野で使われています。ソフトウェアとして顧客の機器に組み込める柔軟さも支持されています。
代表的な活用分野を紹介します。
自律移動ロボットやAGV
工場や倉庫の自律移動ロボット、AGVと呼ばれる無人搬送車でKudan SLAMが使われています。同じ空間で複数のロボットが自己位置を推定しながら動けます。
GPSが届かない屋内でも安定して移動できる点が強みです。人手不足の現場で、搬送や運搬の自動化に役立てられています。
自動運転やモビリティ
自動運転やモビリティの分野でも、Kudan SLAMが活用されています。車両に搭載し、市街地を走りながら周囲を高精度に地図化する事例があります。
カメラやLiDARに加え、GNSSやIMUを組み合わせることで屋外でも安定します。移動しながら広い範囲を計測できるため、地図作成にも向いています。
デジタルツインや測量
Kudan SLAMは、現実の空間をデジタルで再現するデジタルツインにも使われています。施設の管理やシミュレーション、予知保全に役立てられています。
機器を持って移動するモバイルマッピングでは、測量や3次元計測に活用されます。ドローンに搭載され、上空から計測する製品にも採用されています。
まとめ:Kudan SLAMとは商用グレードの空間知覚を実現する技術
本記事では、Kudan SLAMの概要から主な技術、特徴と強み、活用分野までを解説してきました。Kudan SLAMとは、Kudan株式会社が開発する商用グレードのSLAM技術です。
本記事のポイントをおさらいします。
本記事のポイント
- Kudan SLAMは日本のKudan株式会社が開発する商用グレードのSLAM
- KdVisualとKdLidarを軸に多様なセンサーを統合できる
- ロボットや自動運転、デジタルツインなど幅広い分野で活用される
Kudan SLAMの技術と使いどころがわかったことで、自社の製品や現場に取り入れる価値があるかを判断しやすくなったのではないでしょうか。
SLAM技術の導入や開発について具体的に相談したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
Kudan SLAMに関するよくある質問
参考文献
執筆者
編集部
Robot With編集部は、ロボット・フィジカルAI領域の専門メディアです。物流・製造・サービスなど幅広い分野のロボット技術や導入事例、市場動向を調査・発信し、企業の導入検討や意思決定に役立つ信頼性の高い情報を提供しています。
監修者
リサーチチーム
Robot With リサーチチームは、ロボット・フィジカルAI領域の専門調査チームです。国内外のメーカー情報や市場動向、技術資料、公的データをもとにファクトチェックと内容監修を行い、企業の導入検討に役立つ正確で中立的な情報を提供しています。
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