ドローンレベル3飛行とは?必要な資格・許可・申請方法を解説

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この記事のポイント

ドローンレベル3飛行は無人地帯における目視外飛行で、二等以上の資格取得と国土交通省への許可・承認申請、第三者賠償責任保険への加入が必要となる区分であり、レベル3.5飛行は補助者や看板の設置を機体カメラでの確認に代替できる緩和制度である。

ドローンレベル3飛行とは?必要な資格・許可・申請方法を解説

「ドローンレベル3飛行では何ができるのか、自社の点検や物流にどこまで活用できるのか、必要な資格や許可も含めて知りたい」

こうした疑問に答えます。

本記事の内容

本記事の内容

  • ドローンレベル3飛行の定義と活用シーン
  • レベル3飛行に必要な資格・許可・保険
  • 申請手続きの流れと事業活用のポイント

ドローンレベル3飛行とは、無人地帯における目視外飛行を指し、二等資格以上の取得と国土交通省への許可申請を経れば、点検や農業、物流など幅広い事業で活用できます。

本記事を読むことで、自社の業務にレベル3飛行がどう活きるかを判断でき、レベル3.5への移行を検討すべきタイミングも見えてきます。ぜひ最後までご確認ください。

ドローンレベル3飛行とは無人地帯での目視外飛行

ドローンレベル3飛行とは、国土交通省が定める飛行レベル分類のうち、無人地帯における目視外飛行を指す区分です。操縦者が機体を目で追えない距離まで飛ばす形態でありながら、第三者がいない場所に限定することで安全性を確保する仕組みになっています。

飛行レベル分類における位置づけ

飛行レベルは、有人地帯か無人地帯か、目視内か目視外か、操縦飛行か自動飛行かという3つの軸で整理されています。そもそもドローンとは何かという定義や飛行原理の基本を理解したうえで、これらの飛行レベルごとの基準やルールを把握することが重要です。レベル1は目視内での操縦飛行、レベル2は目視内での自動飛行、レベル3は無人地帯での目視外飛行、レベル4は有人地帯での目視外飛行という位置づけになります。

レベル4は2022年12月の航空法改正で解禁された比較的新しい区分であり、レベル3はそれ以前から実務で使われてきた形態になります。段階的な発展の流れのなかで、レベル3は目視外飛行の第一歩にあたる区分といえます。

無人地帯における目視外飛行の意味

無人地帯とは、山や森林、離島、河川・湖沼、農用地など、住民や歩行者がほとんど存在しないエリアを指します。レベル3飛行では、こうした無人地帯を飛行経路として選定し、操縦者の目視が届かない範囲まで機体を飛ばします。

補助者を配置せずに飛行できる点も特徴です。ただし、有人地帯での目視外飛行であるドローンのレベル4飛行とは異なり、第三者が飛行経路に入り込まないよう、立入管理区画の設定など一定の安全対策を厳格に講じる必要があります。

レベル3飛行が想定する活用シーン

レベル3飛行は、人が少ない場所での長距離・広範囲の飛行を前提としているため、次のような場面での活用が進んでいます。

  • 離島や山間部への荷物配送
  • 大規模河川の測量や地形調査
  • 被災地における状況確認や物資輸送
  • 送電線や鉄塔などインフラの点検

いずれも、操縦者が目視できないドローンの目視外飛行によって、人手での対応が難しい場所や頻度で自動的にロボットを稼働させたい企業にとって、レベル3飛行は有力な選択肢になります。

レベル3.5・レベル4との違い

レベル3、レベル3.5、レベル4は、いずれも目視外飛行を含む区分ですが、対象エリアや必要な体制に違いがあります。

区分対象エリア補助者・看板主な要件
レベル3無人地帯原則不要(立入管理区画で対応)二等資格以上、許可・承認申請
レベル3.5無人地帯(車両・鉄道横断含む)条件を満たせば不要一等・二等資格、機体カメラでの確認、保険加入
レベル4有人地帯不要機体認証、操縦ライセンス、運航管理

レベル3.5は、レベル3の要件を緩和する形で2023年12月に新設された区分であり、レベル3と4の中間の飛行内容を新たに定義したものではありません。例えばレベル3で求められる第三者の侵入防止のためのドローンの立入管理措置について、レベル3.5では機体カメラによる確認をもって看板や補助者の配置を不要とする特例が認められています。レベル4は有人地帯を対象とするため、レベル3よりもさらに厳格な機体認証や運航管理体制が求められます。

ドローンレベル3飛行に必要な資格と許可

ドローンレベル3飛行は、無人航空機の飛行区分では「カテゴリーII飛行」に位置づけられ、立入管理区画の設定を前提とした特定飛行にあたります。実施にあたっては、操縦者の資格、許可・承認申請、保険加入という3つの要件を押さえる必要があります。

二等以上の無人航空機操縦士資格

レベル3飛行を行う操縦者には、国家資格である無人航空機操縦者技能証明のうち、二等以上の資格が求められます。あわせて、目視内飛行に限定された資格では目視外飛行ができないため、目視外飛行の限定解除を受けていることも必要です。

技能証明を保有していない場合でも飛行自体は不可能ではありませんが、その場合は国土交通省による個別の技能審査を受けたうえで許可・承認を得る必要があり、手続きの負担が大きくなります。また、実飛行に向けた万が一の備えとして、手続きの簡易化だけでなくドローン保険の加入状況も含めて運用体制をしっかりと整備することが求められます。

国土交通省への許可・承認申請

レベル3飛行はカテゴリーII飛行にあたるため、原則として国土交通省への許可・承認申請が必要です。ただし、二等以上の技能証明を保有し、機体認証を受けた無人航空機を使用する場合は、個別の許可・承認申請を省略できる区分(カテゴリーIIB飛行)が用意されています。

自社の体制や機体の状況によって、個別申請が必要になるか省略できるかが変わるため、飛行計画の段階で確認しておくことが重要です。なお、こうした適合機体の導入やパイロット資格の取得には一定のコストがかかりますが、国が提供するドローン補助金を利用することで、導入費用を大きく抑えることが可能になります。

第三者賠償責任保険への加入

レベル3飛行では、飛行中の事故で第三者に損害を与えた場合に備え、十分な補償額の第三者賠償責任保険への加入が求められます。とくに総重量25キログラム以上の機体を飛行させる場合は、保険加入が許可・承認の要件として扱われます。国内外のドローンの事故事例を分析しても、機体トラブルや操縦ミスによる墜落被害は甚大になりやすいため、リスク管理としての保険加入は基本です。事業として継続的にレベル3飛行を行う企業ほど、保険内容の見直しと更新を定期的に行う体制が欠かせません。

機体に求められる要件

レベル3飛行そのものに機体認証は必須ではありませんが、機体認証を受けた無人航空機を使用すれば、前述のとおり個別の許可・承認申請を省略できます。あわせて型式認証を受けた型式の機体であれば、機体認証の検査の一部が省略され、手続き全体の負担が軽くなります。

要件概要
操縦者資格二等以上の技能証明、目視外飛行の限定解除
許可・承認原則必要(機体認証保有時は省略可)
保険第三者賠償責任保険への加入
機体認証・型式認証任意(保有すると手続きが簡略化)

自社でレベル3飛行を運用する場合は、資格取得と機体認証の取得のどちらを優先するかを、飛行頻度や事業計画にあわせて判断することが求められます。

ドローンレベル3飛行の申請手続きの流れ

ドローンレベル3飛行を実施するには、オンラインシステム「DIPS2.0」または書面での申請書を、飛行予定の空域を管轄する地方航空局に提出します。手続きの流れを事前に把握しておくことで、飛行開始までのスケジュールを組みやすくなります。

DIPS2.0でのオンライン申請準備

DIPS2.0での申請では、飛行目的や立入管理措置などの飛行概要、飛行場所や申請先などの飛行詳細、機体・操縦者概要、保険や緊急連絡先などのその他詳細情報を、それぞれ入力していきます。

事前に操縦者の技能証明の情報や機体情報、飛行経路の地図データを準備しておくと、入力作業がスムーズに進みます。

立入管理区画の設定

レベル3飛行では、補助者を配置しない代わりに、塀やフェンスの設置、看板やコーンの利用によって立入管理区画を設定し、第三者の立入りを確実に制限する必要があります。

設定した区画には立看板やポスターで周知を行います。道路や鉄道など第三者の立入りを完全には排除できない場所では、補助者の配置や一時的な交通制限など、追加の対策をあわせて検討します。

飛行経路と空域の選定

飛行経路には、山や海水域、河川・湖沼、森林、農用地、ゴルフ場など、第三者が存在する可能性が低い場所を選ぶ必要があります。経路上に住宅や道路が含まれる場合は、立入管理区画の設定だけでは対応しきれないケースもあるため注意が必要です。

事前の現地調査や地図データの確認を通じて、経路全体で無人地帯の条件を満たしているかをチェックしておくことが求められます。

申請から許可までの期間

飛行許可・承認の審査期間は、申請内容に不備がなければ、飛行開始予定日の10開庁日程度前までに申請することが目安とされています。申請内容に不備があった場合は、追加の確認に時間がかかり、飛行開始予定日の3週間から4週間程度前に申請することが推奨されています。

2025年3月の審査要領改正により、条件を満たす一部の申請では最短1日での許可も可能になりました。ただし、飛行する場所や方法、資料の内容によって審査期間は変わるため、余裕をもったスケジュールで申請を進めることが重要です。

ドローンレベル3飛行を事業活用するポイント

ドローンレベル3飛行は、人手での対応が難しい無人地帯を効率的にカバーできるため、インフラ点検や農業、物流など幅広い業種で導入が進んでいます。事業として運用する際は、活用シーンの見極めと、将来的な制度変更への対応を意識することが重要です。

点検や農業、物流での活用事例

インフラ点検の分野では、山間部に設置された砂防施設で、飛行ルートを事前にプログラムした機体による自動巡視が行われ、河道閉塞や堰堤の状態確認に活用されています。送電線の点検では、赤外線カメラを搭載した機体で異常な発熱箇所を特定する取り組みも進んでいます。

農業分野では、RTK測位に対応した機体による農薬散布や、マルチスペクトルカメラで作物の生育状況を診断する活用が広がっています。物流分野では、離島や山間部への荷物配送にレベル3飛行が使われており、被災地での物資輸送にも応用されています。

レベル3.5への移行を検討すべきケース

道路や鉄道の横断など、第三者の立入りを完全には排除できない経路でレベル3飛行を行う場合、従来は追加の補助者配置や看板設置が必要でした。レベル3.5飛行では、こうした従来型の立入管理措置の一部を、機体カメラによる歩行者等の確認というデジタル技術での代替に置き換えられます。

飛行頻度が高く、広範囲かつ長距離の運用を計画している企業ほど、レベル3.5への移行によって人員配置の負担を減らせる可能性があります。ただし、立入管理そのものが不要になるわけではなく、条件を満たす代替手段に切り替わる点には注意が必要です。

導入コストと体制構築の注意点

レベル3飛行を継続的に事業活用するには、操縦者の資格取得や保険加入に加え、飛行経路の現地調査や立入管理区画の維持といった運用コストがかかります。従来型のレベル3飛行で道路や鉄道の横断を伴う場合は、補助者の人件費が積み重なりやすい点も見落とせません。

自社での内製化と外部の運航事業者への委託のどちらが適しているかは、飛行頻度や必要な精度によって変わります。長期的な事業計画のなかで、レベル3.5への移行や機体認証の取得も含めて、体制構築を段階的に検討することが望まれます。

まとめ:ドローンレベル3飛行は資格と許可を押さえれば事業活用できる

ここまで、ドローンレベル3飛行の定義から、必要な資格や許可、申請手続き、事業活用のポイントまでを解説してきました。

本記事のポイント

  • レベル3飛行は無人地帯における目視外飛行で、二等以上の資格と許可・承認が必要
  • 第三者賠償責任保険への加入と立入管理区画の設定が欠かせない
  • 運用頻度が高い場合はレベル3.5への移行で人員負担を減らせる

自社の点検や物流の業務にレベル3飛行がどう活きるかを理解できれば、資格取得や申請準備を無駄なく進められます。制度の全体像を押さえたうえで、事業計画にあわせた無人航空機の活用を検討してみてください。

より詳しい導入相談やロボット活用の資料をお探しの場合は、お気軽にお問い合わせください。

ドローンレベル3に関するよくある質問

参考文献

  1. 無人航空機の飛行許可・承認手続 - 国土交通省
  2. 無人航空機レベル4飛行ポータルサイト - 国土交通省
  3. 補助者を配置しない目視外飛行(レベル3飛行)申請方法 - 国土交通省

執筆者

Robot With 編集部
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編集部

Robot With編集部は、ロボット・フィジカルAI領域の専門メディアです。物流・製造・サービスなど幅広い分野のロボット技術や導入事例、市場動向を調査・発信し、企業の導入検討や意思決定に役立つ信頼性の高い情報を提供しています。

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